>> TREND-ANTIQUE >> [ * La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi ]

La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi

ここでは、イッンチーキ宮廷における21世紀初頭の音楽受容について、当時の報告や論説など、貴重な歴史的資料を収集しています。

6. ルポルタージュとしてのアーノンクール

[ 2006-07-23 14:33 ]

彼はルポ・ジャーナリストである。

彼はまず、取材対象について調査をする。慎重な事前調査がないと、現地で右往左往し、象徴的な事件を取り逃がすことになるからだ。また、現地に流れる噂話や、恣意的な発言を慎重にかわす必要もある。

そうして彼は現場に立つ。真っ直ぐにマイクを向け、慎重に準備された問いかけを行う。現地の人々の声を、あるがままに引き出すためだ。インタビューを通じての "対話" は、彼の仕事の大部分を占めるものである。

どんなに醜い場面であろうと、凄惨な場面であろうと、彼は決然とカメラを向ける。それを見る者は、緊張と不快感、そして衝撃と感銘を受けるだろう。だからといって、恣意的に醜く凄惨に描くことは、あってはならない。

彼は、現状に対して常に挑発的である。現状とは、多くの非論理を含むものだからである。彼は物事に筋を通したいと考え、粘り強く観察して、発見を暖める。彼は、ベースとしては、保守的な人物である。

こうした彼の活動は、彼が強く主張し確立してきた、"表現の自由" の原則に基づいている。彼はあくまでも表現者という曖昧な存在に過ぎないのだ。彼自身もそのことは決して忘れない。

彼のファンタジーは常に事実の中にある。彼のドイツ人としての誇りが (本当は彼はオーストリア人であるはずなのに!) 、事実よりも美しい幻想的で神秘的な世界を許さないのだ。

彼はまごうことなき、"20世紀" の音楽家である。果たして21世紀は、そのような赤裸々な音楽を好むのであろうか。おそらく私たちは、より外面的に美しくまとめられたもの、コンセプトによって小ぎれいに整理されたもの、軽さとウィットに富むものを求めるだろう。

マリオネットからオーケストラへ ... (稲盛財団)